パドヴァから約1時間。
グラッパ山のふもと(bassa)にある、という意味を持つ街バッサーノ・デル・グラッパには、
イタリアでは珍しい「屋根」のある「木製」の橋が架かっている
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グラッパは味だけでなく、見た目でも楽しいお酒である。手書きや、入れ子になったガラス細工、デザイン的なフォルム…など、飲めなくても飾っておきたい!と思わず手にとってしまう、繊細で洒落たボトルが多い。もちろんお土産好適品である(笑)

 

雪を抱く尾根とアルプスから流れ届く清流に囲まれた街は、
小ギレイで育ちのよい村娘のような趣を持つ。
しかし、春には白アスパラ、秋には豊富なキノコ類と、
大地の恵みに溢れ、土くささも残している。
だからやっぱり町娘ではなく村娘の風情がよく似合うのである

 

Digestivo(食後酒)として飲まれるグラッパとは、ワインを絞った後のブドウの残りカスから造られる蒸留酒である。街の名前からして、ここが発祥の地!とも思うが、640年頃、アラブからナポリへ入ったのが始まりと言われている。

当初は、ワインを買えない貧者たちが飲む安酒だったが、今では有名銘柄ワインと同じように、ブドウの種類で香りや味を楽しむ、洗練された飲み物になっている。

発祥の地ではないが、この街には昔から蒸留酒所が多く、グラッパの主要メーカーも揃い、名実ともにグラッパの街となっている。

Nardini 
8〜20時 月祭休み
橋の中にある2大グラッパメーカーが経営するグラッパのバー。ブドウだけじゃなく、りんご、ラズベリー、あんずなどの果物系や薬草入りもあり、グラッパの奥深い世界を手軽に堪能できる

Poli Museo della Grappa
9〜13 14:30〜19:30(月は午後のみ)
無休・無料
こちらも老舗ポリ社が開いたグラッパ博物館。橋を渡ったVia Ganba沿いにある。試飲はもちろん、手吹きの繊細なグラッパ専用グラスも販売している。

カタコトカタコト…
やわらかい音を立てながら自転車が通り過ぎていく。この橋は車は通行できない。

戦火に焼かれた後、住民たちはオラが街の顔、アルビーニ橋の再建に援助を惜しまなかった。

石のソレとは全く違う温かみの中には、古き良きモノを残し、伝えてきた人々の誇りと情熱も含まれているのだ