屋根も壁も階段も、岩と同化したような枯れた色合いの町は、強烈な日差しの下で蜃気楼のようにまどろんでいる

こんなに明るいのに、モノクロームのように見える中、
真っ赤な花が、唯一のアクセントをつけ咲いていました


 
快適なドライブでスッ飛ばしたからか(実は私、飛ばし屋(笑)1時間半ほどで今宵のアグリの地、Rocca Strada に到着。ココまで来ると、シエナ県を抜け、南のグロッセート県に入る(トスカーナ州は9つの県で成り立っている)

Rocca Strada その名の通り岩の道、まるでナバロンの要塞のような岩山に作られた小さな町の中心は、50m四方もないような可愛らしい広場。

キラキラ水しぶきをあげる噴水の回りには、老若男女が集い笑っていて、立ち止まり、降りたたずにはいられないほど、のどかな風景が広がっていた。

岩山の中がいわゆる旧市街。限られた空間の中に、まるで手品のように住居が建ち並んでいる。それも整然とではなく、あっちでポコポコこっちでポコポコ…と、空いてる所を建て増し、くっつけ、すき間を埋めるかのような積み木細工(笑)

お陰で立方体を結ぶ道は、複雑怪奇な渡り廊下と化し、いつの間にかヨソ様の玄関先に到着!して、慌てて引き返すことも(笑)

いやぁ〜こんな所で「かくれんぼ」でもしたらさぞかし楽しいだろうな…と思いつつ、狭い路地にはためく洗濯物を見上げ、長屋的に暮らす人々の生活の温もりをも感じることができたのでありました…


日本のガイドには絶対載ってないけど、手元の地図にはワインの樽の絵が書かれている。という事はワインの名産地なんだろうな!実際、見所という見所がないような町の中に、ワイン博物館があった(←時計台の中)こりゃぁ〜今晩の夕食が楽しみだわい!(笑)

要塞の遠景。最初はホントの岩山だったんだろうな〜。このナナメ止まりの車を見てよ!(笑)でやっぱり昔は、要所を守る関所みたいになってたんだろうね。

城壁の跡が展望台になっていて、雄大なパノラマが見渡せるんだけど、昨日までお馴染みだった平野は跡形もなく、緑濃い山々が連なっているのがわかる。同じトスカーナでも全然風景が違うことに驚く。あの山の向こうにはティレニア海が広がっているのだ。

今まで見たこともないもうひとつのトスカーナに触れる、これからの道中に、ワクワクしながら町を後にする。
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