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サン・ジミニャーノから北東に走ること小一時間。
なだらかな平地の中にポコンと突き出た台地が見えてきて、その頂上にヴォルテッラのシルエットが浮かびあがっている。

アクセス不便で、有名どころのトスカーナにおいてはマイナーな街なのだが、なかなかどうして大きく立派な街である。

それもそのはず、エトルリア時代に起源を持つヴォルテッラは、当時から豊富な鉱物資源や塩を産出し、裕福かつ勢力ある街として長きにおいて繁栄を遂げてきたという。

古い起源を持ち、繁栄によってその景観を守り、保ち続けた街らしく(街の正面玄関であるその名もエトルリア門は、前3世紀建築という大変貴重な代物だ)落ち着いた雰囲気が今なお優雅に息づいている。

そして当時からの名産物として今もヴォルテッラの名を知らしめているのが「アラバスター(雪花石膏)」という石である。

ミイラの内臓を入れるカプノスっていう壺があるでしょ?ネコやフクロウの顔のついた(笑)アレ!アレがこのアラバスターで作られてます。

ガラスが曇ったような乳白色をしており、その暖かみのある風合いが、文字通り寒い日に口にするホットミルクのように優しげな石であります。

城壁の外に車を停めて街の中に入り、まず探したのがBAR!この日の早朝、日本×トルコの試合があったので、その結果を知りたかったのだ!!

日本にいたら時差など関係なく(当たり前じゃ)試合も見れたのに!その代わりにイタリア旅行楽しんでるじゃん?!という考えは全く浮かばない自分勝手な私(笑)

で、飛び込んだBARの兄ちゃんに試合結果を聞くと…
「残念だったね…」ああ〜〜〜!!!散ったか…ニッポン…

今日はこの後、韓×伊戦があって、兄ちゃんの頭は早くもそっちにいってるらしい。返事は上の空だし、私なんて全く眼中に無い(笑) チッ!チッ!
でも今日、イタリア戦なんだ〜!がんばれ〜〜!

イタリア人観光客も多く、結構な人で賑わっていてビックリした通りには
(案外観光地なんだ!)
名産物アラバスターを扱う店がズラリと並んでいる。
大きなモノは陶器や壺、
小さなモノはアクセサリーなどと、
様々にカタチを変えられ店頭を飾っている。
中にはアラバスター製の楽器もあるらしく
フルートなんてちょっと聴いてみたい! と思わない?

柔らかく加工しやすいこの石は、繊細な彫刻も可能で、
華麗な細工を施された品は目を見張るほど美しく、
目を見張るほど高い!(笑)

その中で個人的に気に入ったのは、ランプシェード!
(こんなんも出来るんだ!)
薄く削れば光も通すという特性を活かしたその光は、
和紙のスタンドから漏れる光のように柔らかく、
デザインもイタリアならではでイケてる!

が〜デカクて重くて高くて手がでませんでした…
コレを旅中買物三重苦という…(合掌)

アラバスター製の楽器のお店
Opus Artis
Piazzetta Minucci 1, Volterra
http://www.opusartis.com

周囲を丘陵や平野に囲まれたヴォルテッラの街は、標高545mの台地の上に建っている。
だから遠くから眺めると、緑の大海に漂う一個の王国のように堂々とした姿を見ることができる。
列車の駅からすぐ街…といった所とは全く別の楽しい見方である!
アクセスが不便な所では、きっとこういった特別なオマケを旅人のために用意してくれてるんだろうね!