ヴェネツィアから1時間。カラフルなペンキで彩られたブラーノは、サン・マルコ広場の喧噪がウソのように静寂な島である。目抜き通 りには、世界に名を知られたヴェネツィアン・レースの瀟洒な店が並ぶが、ジェラートのようなPOPな色使いの小さな家を、運河沿いに眺めながら歩くのが私のお薦めである(笑)

隣同士、同じ色が重なっている所は一軒もない。これって、隣と相談して決めるのか?それともじゃんけんか、くじ引きか?しかもお向かい、斜めとその色の協調性がまた素晴らしい!こんな楽しい事を考えながら歩ける所ってそんなにないと思うんだけどナ…(笑)

ヴァポレットに乗ってサン・ジョルジョ・マッジョーレ島に渡る…
この島の教会の尖塔に上れば
まるでヴェネツィアの街を手中に収めたかのような風景が眼前に広がっている…
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イタリアいち物価の高いヴェネツィア?
しかしブラーノ島なら素朴な魚介料理をリーズナブルに食べれるので、プランツオをかねて繰り出すのがベター。

エビ、貝、イカ、タコ…あらゆる海の幸をみじん切りにした、濃厚なソースのパスタを食べに行くだけでも価値のある所です…おまけに食後には楽しい散歩が待ってるよ(笑)

ヴェネツィア…
この街の本当の素顔が見たければ、地図をしまって気ままに歩いてみることです。
小さな橋を渡り、道行く人と笑みを交わし、薄暗い路地を抜ける。
車のないこの街が、どんなに静かであるか
鼻孔をくすぐる潮の臭いがどんなに香しいか(往々にして悪臭だがそれもよい)
ふいに突き当たった運河の水音がどんなに美しいか
土壌に恵まれないこの街がどんなに緑が少ないか
これらに初めて気がついた時、私は本当のヴェネツィアを知ったような気がしました
ヴェネツィアは見所のたくさんある所です
しかしまた、街そのものが類い希なる芸術作品でもある所です
それを見ずして去るのなら、ベッリーニの1枚くらい捨て置いてもいいじゃない?
そう私は思うのです…

暑い昼下がり、冷えたワインを飲ます居酒屋の屋根の影に誘われて人々が集まった…という事からヴェ>ネツィア子はワインの事を、親しみを込めて「オンブラ(日陰)」と呼ぶ。そして普通 ならエノテカとかオステリアと言う居酒屋は「バーカリ」と呼ぶのがヴェネツィア風だ。これはヴェネツィアの古い方言でバカ騒ぎを意味するバーカラからきていると言われている。

バーカリは市場の立つリアルト橋付近の路地に多くあり、水揚げされたばかりの新鮮な海の幸は、瞬く間に大皿に盛られ、ワインの良き友となる。朝は河岸で働く男たちがグラスを傾け、夜は我が家のような居心地の良さに惹かれた人々が三々五々集まってくる。そして、ふらりと立ち寄った旅人さえも包みこむ暖かさがバーカリにはある。

一日の疲れを癒したいなら、地酒のプロセッコを…恋人と語らうなら、ほんのり甘いフラゴリーノを…ヴェネツィアの夜はまだまだこれからなのだから