のんびり過ごし、回った「イタリアかかとの旅」もいよいよ大詰め!でも最後に絶対行きたい所があったので、旅の振りだし点、バーリに再び戻ってきた。ソレは、このカステラーナの鍾乳洞を見るためだった!

バーリから離れること40キロ。山とか崖とかの中にあると思ってた私、はっきりいって「こんな所に?」というような平地!に「あれぇえ〜?」って拍子抜け(笑)しかし「ソレ」は私の足の下、地面 の下に、壮大な絵巻物語を広げて待っていてくれた。

中に入って階段を降りていくと、一段ごとにしっとり冷たい空気が身体を覆い、真夏だというのにゾクゾクするような冷気がたちこめている。

ココまで、私は子供のようにはしゃいでた。地下に徒歩で潜る機会…ってなかなかないでしょう?気分はライト付きヘルメットをかぶった探検家だった!(笑) が、いよいよ内部に入り、足を進めていくと、そんなお子さま気分がフッ飛んでしまうほど、素晴らしい光景が広がっていた!

 

 

 もう一つの鍾乳洞 〜マルケ州のフラサッシ〜

ウンブリア州の右側、アドリア海に面したマルケ州。その州都アンコーナから1時間ほどの所に「フラサッシ〜 Grotte di Frasassi 〜」という鍾乳洞がある。私は別にマニアでもなんでもないのだが、ココにも足を運んだことがある(笑)こちらも発見されたのが1971年というから、プーリアのソレと同じくらい、比較的新しい鍾乳洞…ということになるだろう。どちらも大変規模の大きい鍾乳洞で、甲乙つけがたいくらい素晴らしいが、マルケはダイナミックで男性的。プーリアは繊細で女性的…ってな感じかな?

こちらのフラサッシで、まず案内されたのが、ほんとぉおお〜〜〜〜にデカイ洞窟で、ガイド曰く「ミラノの大聖堂がすっぽり入りますよ」ってな広さだったのだ! ね??スゴイでしょう??(笑)私の聞き間違いだったかもしれないんだけど(笑)でも絶対納得してしまうくらい大きかった!スゴかった!ココも写 真撮影がダメで手元には何も残ってないんだけど、それでもよく覚えてる。それくらい強烈だった(笑)

正直それまで、日本でも鍾乳洞なんて行ったことがなかった私、あまりのキレイさと巨大さに完全にノックアウトされちゃった!(笑)今回、プーリアの鍾乳洞に行こう!って思ったのも、先にこのフラサッシを見ていたからなんだな…実は!(笑)イタリアの自然って、牧歌的な風景とか、蒼い海とか、どこか安心して見れる部分があるけど、こんな雄々しく神秘的な一面 を持っていたんだぁ〜って思うと、それだけで大発見だった!

マルケって、ちょっと地味な州だけど(笑)活気ある港町アンコーナや、ラファエロの故郷ウルビーノ、「セビリアの理髪師」を書いたロッシーニの故郷ペーザロなど、見所がたくさんある州だ。ゆっくり滞在される方は、是非、フラサッシにも行ってみてください!ひと味違ったイタリア観光を体感できること請け合います!(笑)

●アンコーナから列車で約1時間。S.Vittore d Genga 下車、徒歩約15分(シーズンはバス有)列車は本数が少なくちょっと不便
●公式サイトはこちら http://www.frasassi.com/ (英・独・伊)

 

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ライトに照らされた洞内は、乳白色に濡れて光っており、それらが生み出す陰影が、何ともいえぬ 幻想的な世界を創り出している。順路の左右にも、小さな洞窟がたくさんできていて、石筍が柱のように天井を支えており、まるで教会の内部のようだ。

「フクロウの洞窟」「天使の廊下」など、特徴によって命名された中には、マリア様の姿に似ている…という石筍のある「洞窟の聖母」もあって、お賽銭よろしくコインが投げ込まれてたりする(笑)

そしてココの一番の目玉、洞内の一番奥、地下70mの中にできた「白の洞窟」に辿り着く(上の写 真は違います)純度の高い水晶がつくりだす石筍は、今までのソレと違って、輝き方も色もズバ抜けて美しい!一瞬、肩に力が入り、その後、みんなのため息がさざ波のように静かに広がっていく。

緊張と弛緩。驚きと感動。ここには退屈という2文字は存在しない!全長3キロのコースはアッ!という間に消化され、こなされていく、まさしく異次元トリップ!トワイライトゾーン!未知との遭遇だった(笑)

それにしても、自然ってホントにホントにスゴイ!!それでもって、足の下にこんなびっくりするようなモノが眠っているのね?という現実的だか、非現実的だかわからない事実がまたスゴイ!地上に出た時、まじまじ地面 を見てしまったよ!

地下にあるモノって、地上にあるモノと、その生業が全然違う…ってのは理解できるんだけど、本当に想像を絶する世界!まるで火星を歩いているみたいな世界だった!

上から下から伸びた石筍は、目をむくほど巨大だったり、雪の結晶のように繊細だったり、ガウディの建築のように奇怪だったり、あらゆる姿態で私たちを迎える。 それは石だというのに、生きているかのようにリアルに迫ってくる。

そう、今この瞬間も、どこかで水滴が落ち、石筍は成長しているのだ。10センチ10年!としたら、一体何年の月日が、時間が、費やされ育まれてきたのだろう!?

事実、この洞窟が形成された時期を遡ってみると、なんと3億年前!といわれているらしい!私は数字に弱い(笑)こんな具体的な数字を出されると、それだけでメマイがしてくる!

ココは自然というより、地球の成長の軌跡を垣間見る場所なのだ!私たち人間は、洞内を「見る」のではなく「見させていただいてる」ようなモノなのだ!

※鍾乳洞で見られる石柱の事を「石筍」と呼ぶそうだが、石でできたタケノコとはねぇ〜(笑)ウマク言ったものだ!

柱状ではなく、このように板状になってる形態は、
とても珍しく貴重なんだそうだ
で、その名も「生ハム!」(笑)
もぉ〜〜イタリア人ってばお茶目!ステキ!(笑)