コレでもかっ!コレでもかっ!とばかりに、ありとあらゆる場所が彫られ、飾り立てられ、
有無を言わせぬ迫力が頭上から降り注いでくる。
ともすれば過剰な宝石で下品になってる貴婦人になってしまいがちだが、その一歩手前で踏みとどまっているのは、確かな技術に込められた作
り手たちの情熱だ。
それをムンと捕まえて対峙する気力が、見る者にも必要になってくる。多分1日眺めていても楽しいファサードだが、その前に気疲れで倒
れてしまうだろう…という代物。とんでもないモノを私はレッチェで見つけてしまった(笑)
ここでも「笑う?」変な生き物発見!(笑)
というか全ての彫刻に独特の表情があって、
これがまたユーモラスで
ホント見ていて飽きないんだなぁ〜
まさしく「彫刻美術館」!
赤瀬川原平さんに教えてたくなる!
レッチェの顔はドォーモでも闘技場でも広場でもなく、ここサンタ・クローチェ教会だったぁ〜!
見よ!この豪華絢爛とんでもない彫刻で覆い尽くされたファサードを!
初めの3分間、私はただ呆けて見上げるばかりだった。が、お次はあまりのスゴさに笑い出してしまった(笑)いや、ホント!こんなデコラで、
主張の激しい彫刻で飾り立てられた教会なんて見たことない!
例えばファサードがキレイな教会は、星の数ほどあるけど、それはあくまで控えめかつエレガント。見る者に心の安らぎを与える。が、このフ
ァサードは私の心を乱すばかり!だってホントにスゴいんだもん(笑)
でもこの教会、ご覧のように建物が密集した下町的な場所にデンと居座っているのだ。広場もなく、前の道幅は5mもないくらい狭い。
故に全容をカメラに納めるのは全くもって不可能!
でもフラフラ歩いていて、いきなりこんな教会が目前に現れたら、知らない人はびっくりする!私もびっくりした!おいおい!なんでこんな所にこんな教
会があるねん!って(笑)
壮麗な教会を建てる。でも広い敷地が無い。それじゃあ〜登場の仕方にちょいを一工夫しましょう。角を曲がればソコは別世界!姿形だけでなく、狭いスペース
をよりドラマティックに演出する。スんごい発想だと思わない?もぉ〜やっぱイタリア人ってスゴイ!拍手!(笑)そして訪れた人はみなその演出効果にド肝を抜かれるんだから。
レッチェの石は、ほんのり黄色がかかって、あったかい。だから緻密な彫刻で埋められていても、硬質な感じがしないんだろうな。そして光の加減でいろんな色に変わって見えるそうだ。