2001.夏。イタリアの旅はヴェローナから始まった。この街で「ロミオとジュリエット」と同じ
くらい有名なのが、 アレーナ(円形劇場)で行われる夏の野外オペラである。世界中から観客が集まるのはもちろん、イタリア人ですら一生に1度は観てみたい…
と言わしめるほど、その舞台は定評がある。
野外劇場ならではのダイナミックな演出も目玉のひとつで、例えば本物のゾウとかウマが登場しちゃったりする!この写
真は我々が翌日観た「イル・トロバトォーレ」の舞台装置だが、背後の建物を見てもわかるように、その高さ、ゆうに3階
分もある巨大な代物である。コレが舞台だと小さく見えるんだから、いかに舞台が広大かおわかりになるだろうか?
でもいくらデカイからといって、翌日上演のセットを屋外に放置してるのが、なんともイタリアらしくて笑ってしまうなぁ〜(笑)
今年の演目はヴェルディの作品で統一されており、今夜はその中で最も人気のある「アイーダ」が上演されている。 野外劇場なんだから、もしかしたら歌とか聞こえてくるかもしれないよ!と、よからぬ
コトを考えながら外へ繰り出す(笑)
ヴェローナの顔でもあるブラ広場は、こじんまりとしているがとても美しい広場で、その中央にライトアップされたアレーナが浮かび上がっている。
20世紀!の時を経て、今なお現役で使用されている世界でも類を見ない劇場アレーナ。今この瞬間に、2万余人もの人が真夏のオペラに酔いしれて
いるのだ、と思うと、今まで何度も見てきたアレーナの存在感がヒシヒシと伝わってくる。こういった歴史的建造物をただ見せるだけでなく、キチ
ンと活かして残していく。イタリアってこうゆうやり方がとても上手だと思う。
が、夜風にのって…と思っていた演奏や合奏の声が全然聞こえてこない!おかしいな〜と思いつつアレーナの回りをグルリと一周する。
大規模な公演だけに出演者の数も半端ではなく、アレーナの外にまで衣装室があり、着替えをする人が出たり入ったりしてたり、オケ
の人が音合わせをしてる様が柵越しに見ることができる。おすそわけの演奏を聞くことはできなかったが、普通
の劇場なら決して見る ことのできない舞台裏をちょぴりのぞけて満足する私たちでした(笑)
■ブラ広場のとあるピッツエリア ■2人で約1500円
■ビール、ボンゴレビアンコ、ピッツァマルゲリータ
ブラ広場周辺にはたくさんの店があるけど、やはり中心地だけあってどこも観光値段。マズくはないがウマくもない店が多い。
それでもズラリと外に並ぶテーブルに大勢の人が座っているのは、美しくライトアップされたアレーナを正面から見られる誘惑に勝てないからである(笑)
あまり食欲がなかった我々はその1軒に腰を降ろし、ちょうど休憩がはいった劇場から出てくる人たちを眺めながらビールを傾けることにした。
ちなみにこの店はちゃんとした手打ち麺でそこそこウマかった!さぁ〜明日は早くからチケット入手のために並ばなくては!!