ついさっきまでクルクル走り回っていたグロッセートの街に「帰ってきて」しまった(笑)「アノ時はちゃんと車動いてたのになぁ〜」と、また情けない気分に陥る私…そしてレンタカー会社に着くと、係員の兄ちゃんに事故の状況を伝える。深刻な話になると思いきや…彼はなにやらニヤニヤしながら聞いている

「止まる前にガソリンを入れたよね?何を入れたの?」
「?…えっと普通のガソリン、Senza Piombo って言ったけど…」
「実はあの車はディーゼル車だったんだよ。ガソリンの入れ間違いでエンジンが止まってしまったんだ

「えぇえええ〜〜!!??だ、だって、ちゃんと人に入れてもらったんだよ!」
「アレはフォルクスワーゲン、外車だろ?彼はきっと分からなかったんだよ。イタリアの車なら給油口にどんなガソリン入れるか書いてあるからね」

がぁあ〜〜〜ん!!!
私はイスの中で崩れ落ちてしまった!!!
ディ〜ゼル車?ディーゼル車だったの!?それにガソリン入れたの?!そりゃあ〜止まるわな!!!

でもでも、ジープでもないのに、普通のセダンなのになんでディーゼルやねん!環境にうるさいドイツ車なのになんでディーゼルやねん!あぁ〜解せない!解せない!まったくもって理解し難い!!

信じられなぁあ〜いっ!!

衝撃の事実にわめき散らす私の心境がわかったのだろう。彼は「ボクもちょっと信じられないけどね」(ホントにアンビリバヴォ〜〜!!)と、まぁ〜まぁ〜と私をなだめる始末(笑)

それにしても、もう原因がわかったのか?!今頃マリオは、とんでもなくマヌケな私たちの事を呆れ笑っているに違いない…
でもって、私たちがこの事件を忘れないのと同じように、彼らの中でも、忘れがたいバカ話になるんだろうなぁ〜
あぁ〜情けなやぁ〜(笑)

「大丈夫!できるって!見てるからもう一度やってごらん!」
ガスン!ポスン!ブビビ…(注:オナラの音ではありません)
な〜にいってんだい!と私の苦悩を知らない兄ちゃんと、他にも人が見に出てきて(見に来るなぁ〜!)余計緊張!でも、やっぱりエンストの嵐…(笑)

さすがにちょっと思案顔になった彼、
「じゃぁ〜こうしよう!ボクはもう上がりだから、幹線道路まで一緒に乗ってってあげるよ」
おねげぇ〜します!!(笑)なんでも分岐点近くのGSにマイカーを止めてるから彼も都合がイイらしい。

「どうしてAT車がイイの?なんにもしないのってつまらないだろ?MT車なら、ホラ、ファースト、セカンド…楽しいだろ?コレが運転ってものさ!」
教習所よろしく、私に教えをたれる彼(笑)全くごもっともな話ではございますが、私は久しぶりで運転を忘れているのであります…

ともあれ、ゴチャゴチャした町中を抜けて広い幹線道路まで連れていってくれたのはホントに助かった!!
「じゃあ〜気をつけて!」
こんな頼りないドライバーを残していくことに一分のためらいも持たず彼は爽やかに去っていった…(あぁ〜行かないで!)(泣)

でもこれからは自分で何とかしなくてはならない!!
悲壮なまでの決意を秘めて、私は再び運転席につくのでありました!

 

ブゥブゥ文句言う私たちの背を押すように「さ、新しい車を見てごらん」と駐車場に連れていく(すでに代車がスタンばってるこの手際のよさ!信じられない!マルコ様!ありがとう!!)

用意された車は1300ccのランチャ、正真正銘のイタリア車!兄ちゃんが言うには最新型らしく、ちょっとウレシイ(笑)(この時点でまだ悲劇は影を潜めていた)

「ココを見てごらん。今度は間違っちゃいけないよ」
車の給油口を空けると、そこには緑色の文字でちゃんと「Senza Piombo(無鉛ガソリン)」って書いてある。
「GSでも緑色のがSenza Piomboだからね!」

うへ〜〜こんな所にこんな事が書いてあるんだぁ〜
コレがドイツ車には書いてなかったのだろう。
参った!ホントに参った!お手上げである(笑)
最初にちゃんと説明してくれよ〜とボヤくも後の祭りでホゾをかむ私たち…

前の車が広々3LDKだったら、今度のは6畳一間のワンルームって感じですこぶる小さい。しかも2ドアなのでトランクがない!後にギチギチようやく荷物を入れるも、外から丸見えである!こ、こんなんで大丈夫なんかいな?!って思いながら、運転席にいくと……

 

(再び)がぁあ〜〜〜ん!!!
な、なんと ミッション!MT車だったのだ!
「えっ?えっ?AT!AT車はないの??」
「ココはアジアじゃないんだからAT車なんてないよ」
と意味不明な事をいう兄ちゃん…くそぉお〜〜(笑)

私はMT車で免許を取ったが、もうかれこれ10年以上MT車を運転してない…でももうコレしか代車がないのなら仕方ない!腹をくくって乗り込み、今までずっとお休みだった左足をクラッチにのっけギアを確かめる

え〜ん!ホントに運転できるのだろうかっ?!しかも車は頭から突っ込んであって、バックで方向転換しなければならない!最初からツライ試練が私を待っていた…(笑)

え〜っとまずギアをバックに入れて…ガクン…(エンスト)
チッ!やっちゃったゼ!
再びチャレンジ!ギアよし!左足をソロリソロリと離していく…ガクン…(エンスト)
その後、エンストの嵐が吹きまくり、されど車は1センチも動かない…

…………… し〜〜〜〜〜〜ん ……………


駐車場で石になるKちゃん、運転席で滝のような汗をかきながらボ〜然となる私…

「ダメ!ダメ!運転できないよ〜!!」

たまらず店内に戻って兄ちゃんに泣きつく…
「オートマ!オートマの車はないのっ!!??」
もうこの際、オートマなら、4トントラックでもタンクローリーでもいい!って思った…マジで…(笑)


   
   
 
   
   
 
 
 

ココでひとつ言っておきたいことがある!左ハンドルの運転で何が一番難しい!って、そりゃアナタ、バックです!それにMT車だったので、私は完全にパニックになってしまったのである!ウム!(笑)

と言い訳するけど(笑)左ハンドルのバックが大変なのは本当の話!第一、振り返る方向が違うのが問題だ!私は最初「いつものように」思いっきり左に振り返ってしまい、デコチンと窓ガラスがゴッツンコ!!その後もニアミスを何度も繰り返した(笑)

左右が違うだけで全く違う視点になってしまい、首を寝違えそうになる(笑)オマケにハンドル作業は左手だし、身体中が「違う!違う!」って抗議をするから集中できない。指先だけで操るウィンカーとは、また違う不自然さにスんごく苦労した。

左ハンドルでバックで上手に縦列駐車出来たら一人前!!
コレもまた良い勉強になりました(笑)

 〜欧州でのディーゼル車の位置づけ〜 

今回のこの不可思議かつ不幸な事故で、私が多いに疑問を持った点、すなわち日本では忌み嫌われるディーゼル車が「なぜ」欧州では堂々とセダンをはっているのか?!この「ナゾ」にトリノでモータースポーツの仕事に従事している、私のメールフレンド、トシヤさんから貴重なご意見を頂戴したのでココに紹介したいと思います!!拍手ぅう〜!

私もそんなに詳しい事は知らないんですが、まず、政治的な部分で日本と違って欧州はディーゼル車を締め出そうとはしていません。これは環境問題の考え方が違うんだと思いますが、どちらがいいのかは、判りません。日本は締め出しを選択し、ヨーロッパは技術で改善してゆく方を選んだという事です。

当然、メーカーもディーゼル車に力を入れるわけで、大排気量の乗用車は殆どそうですし、1500cc以上の車には必ずディーゼル車がラインナップされています。大体1つのモデルで一番贅沢な高い車はディーゼル車です。

とにかく最近のディーゼル車は、昔のガラガラ音、煙もくもくで、遅いというイメージは全くなくなってガソリン車と殆ど変りません。それは、パサートで経験したと思います(コレは今回私たちの借りた車です。管理人談)

エンジン本体もよくなっていますが、一番進歩したのは燃料噴射システムで、昔の機械式に比べて今の電子制御式は格段に高い圧力で燃料を噴射できるので、エンジン性能が飛躍的に上がりました。軽油もガソリンより安いし燃費もいいので、距離を乗る人は少し車が高くてもディーゼルを使う人が多いです。ちなみに私の車は1500ccで160キロは楽に出てリッター18キロ位走ります。こちらで売っている日本車も勿論同じようなエンジンをつんだディーゼル車があります。


うぅうむ!!皆さん、おわかりになっていただけたでしょうか?!なるほどね〜〜これほどまでに、その位置づけが違うのならディーゼルも大きな顔ができるワケですね!にしても、何も私たちの車でそんな事が起きなくてもイイのにね…グチグチ…

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