アグリに戻りテラスに本日の収穫を並べてパチリ!結局、香りの良さに負けてタンクの白も買ってしまったのだが、ブドウの上質エキスのようにサラサラと飲みやすく、翌日の晩には2人の胃袋に消えてしまった(笑)

大ビンでドカ〜って買ってく気持がよくわかった(笑)1本3ユーロ(約400円)というお値段でありました…

トスカーナの有名ワイン産地といえば、モンタルチーノやキャンティを思い浮かべるが、実はマレンマ地方は昔から「簡単に良いワインができてしまう」と言われるほど恵まれた風土を持つ土地なんだそうだ。なるほどね〜

 〜隠れ名ワインの里マレンマ〜 

ベッド脇の扉からすぐ出れるテラスはなかなか便利!で気持イイもんだ。シャワー浴びながら、洗濯!洗濯!(笑)

フジ棚ならぬブドウ棚が広がるテラス。
夜になると緑の臭いと星明かりが一層強くなってきて、
人間が入り込めない自然の帳が降りていくのが感じられる

そして目玉の赤は AVVOLTORE(アッヴォルトーレ) という銘柄なのだが、コレはワイン用語で〈心地よく舌に溶け込む〉という意味を持っているそうだ。帰国して飲んでみたのだが、その名の通り、まろまろとしたビロードのような舌触りが絶品で、コレで2000年物?と思うくらい深みと香りのバランスが良く、ひじょ〜〜〜〜にウマかった!!一緒に飲んだ90年のバローロなんて目じゃないくらいウマかった!

残念ながら買った時にはなかったんだけど、コレの99年物はガンベロ・ロッソ(ミシュランガイドのイタリア版のような本)で3 bicchieri(トレ・ビッキエーリ・3つ星ならぬ3つのワイングラスというワインの善し悪しを示す)をもらっているそうな…

あぁ〜それにしても、今思いだしても美味しかったなぁ〜って、しみじみ思えるウマいワインでした…ホントに…

他にこのMORIS FARMSでおすすめの銘柄も列記しておきますのでご参考ください…
Morellino di Scansano
Morellino di Scansano riserva
Monteregio dei Massa Marittima

今日は昼もロクに食べてなかったのでハラペコ状態で臨んだ夕食!ココでは外の店のように、1人分づつ、お母さんが持ってきてくれる。シコシコもっちりの手打ちパスタのポモドーロ。濃〜〜い味の菜っぱのサラダには、皮は厚いけど、びっくりするほど甘いトマトが入っている。そして、ギュッと目の詰まった重たいパン。空き瓶に無造作に入れられたワインは、ほんのり甘くて一番搾り!って感じだ。その全てが自家製で、自然の滋味がしみじみ感じられる素朴な味が、お腹にスルスルスルスル入っていく。

全部がスばらしく美味しかったんだけど、何がウマかったって、メインで出てきたブタ肉にはもぉ〜〜!!脱帽!塩こしょうにローズマリーの葉っぱがのっかてるホントにただ焼いただけ…の代物なんだけど、ブタ肉ってこんなにウマかったの?!と目からウロコの絶品だったのである!

しまってるけど、柔らかすぎず固すぎず、ジュッジュッと肉汁が出てきて、牛肉とは全く違うウマミが口中に溢れる。こんなに美味しいブタ肉を食ったのは初めて!って思った!(豚カツとかショウガ焼きとは別世界だね)2センチくらいあるごっつい「ステーキ」だったんだけどうめぇ〜うめぇ〜とペロリと平らげてしまった(笑)

でもコレって、裏でキィキィ鳴いてたうちの一頭なのかなぁ??

 

ワインがウマいなら、オイルもウマかろう!という、ほとんど信仰心並みの確信からオリーブオイルもゲット!もう〜車のトランクの中は、ちょっとした店ができるくらい食品とワインが詰まっている!!ぎゃぁ〜!(笑)

BACKNEXT

隣りのテーブルには食事だけしにきたオヤジさんが座っていたんだけど(周囲に食べる所がない場合、アグリで食事をとる地元衆もいるのだ)私たちの豪快な飲みっぷりと食いっぷりをニコニコ見てて「どうだ?ウマイか?チーズも食ってみなよ」と言ってきた。

朝、無愛想だったお母さんは、やっぱり無口で無愛想だったけど(笑)
「チーズも食べてみたい」と頼むとチーズと一緒に、キレイなルビー色の生ハムとサラミも持ってきてくれた

「わぁ〜い!ねえねえ〜コレも自家製なの?」「そうよ」
「ブタがスゴク美味しかったよ!」「……よかったわね……」
うぅむ…お母さん大人しすぎる…こっちはうまいワインと食事で酔ってるのでテンション高め!も少しお母さんとおしゃべりしてみたい。

そこで友人Kちゃんが、今朝会った時から思っていた疑問を投げかけてみた「アナタたちはずっとココに住んでいるの?」
「いいえ。サルデーニャから移ってきたのよ」
(やっぱり!というのも黒い瞳に黒い髪で、向こうから渡ってきたんだろうな〜って思ってたのだ)
「じゃぁ〜チーズはペコリーノだね」
「そうよ。こっちが若くてそっちが熟成したものよ」(食べてみる)
「美味しいね〜サルデーニャもペコリーノが美味しいもんね〜(コレはホント)」というとようやく微笑んで「ありがとう」と言ってくれた

事実、マレンマ地方にはサルデーニャからの移民が多いそうで、その昔、荒涼とした湿地帯だった土地を、彼らが長い年月をかけて今ある豊かな姿に造り変えてきたのだ。その時一緒に伝わったのが、サルデーニャの美味しいペコリーノの製法だったワケで、今でもトスカーナのペコリーノの中では、マレンマ産が一番!と言われているそうな…

コレでちょっとうち解けあった私たち、最後にお母さんご自慢の果物を漬け込んだグラッパと、庭からもいできたというアプリコット(甘くて美味!)をいただき、満腹・大満足で部屋に戻る。食った!食った!飲んだ!飲んだ!という私たちの頭上に、早くお休みなさい…とでもいうように満天の星空が広がっていたのでありました…