BACK NEXT

傷心を引きずりながらカターニアに向かうべく海岸線へ出る。この周辺にはアタマに「Aci」とつく地名が多いが(昔は9つあったそうだ)その中で特に知られているのが、美しい景観を持つ Aci Trezza と Aci Castello である。

ディズニーランドにあるような岩山がカワイク3つ並ぶ Aci Trezza や、黒い溶岩でできた城が印象的な Aci castello の海では、大勢の人がボートを出して泳いでいた。実際、大都市カターニアからのアクセスも良いので、シーズン中は海水浴を楽しむ人で大賑わい!泳げなくたって、ほぼ海岸線を走る車窓からの眺めもビューティホ〜でしたっ!

楽しくドライブしてたんで、写真、一枚も撮ってませんでした(うぅむ…オカシイ)だから…イラストで我慢してください(黒だけど)

 ヴィスコンティに選ばれし地

>Zafferana Etnea  ▼Aci Castello  >Catania

Aci Trezzaに車を止め、見つけた、感じの良さげな1軒のトラットリアに入る。文句を言ってっても腹は減るのでアル(笑)いやあ〜さすが海沿いの町。メニューは見事に「海の幸」だらけで、いってまえ!いってまえ!(怖)とばかりにソレらをオーダーする私たち。

プリップリッの小エビのマリネは、グン!と食欲が増すほどよい酸味。アクセントとしてナシが入ってるのには驚いた(芸が細かい&美味)デカイけどすごぉお〜くやわらかくて甘みのあるタコのマリネ。イワシのマリネは大きいだけでなく身が厚くてプリプリ!

このマリネ3種は(マリネばっか頼んでるしぃ(^^ゞ 新鮮な素材の旨みを最小限の調理で引き出していて、ホントにホントにバカウマ!であった。後、ボンゴレビアンコ、ウニのタリアテッレを頼んだんだけど、こちらもすこぶるウマかった!

もちろん白ワインが水のように無くなったのは言うまでもない(エッヘン!)フィニッシュにエスプレッソを飲み、締めて約35ユーロ也。な、なんて安いんだっ!イワシにしろタコにしろ、シチリアならではの海の幸を、最後にこんなに美味しく(安く)食べれてホントに良かった(TOT)しかもフラリと入った普通の店で…である。コレもまた旅の出会いのひとつ。幸せな午後でありました。

物資もままならぬ終戦間もない40年代に、2時間40分もの、とてつもなく濃厚な1本の映画が生まれた。

出演者は全て地元の漁村の人間。奔放なシチリア方言がそのまま使われ、決まったシナリオもなく、彼らの日常を淡々と、しかし圧倒的なリアリズムで描いた「揺れる大地 LA TERRA TREMA」は、ここAci Trezzaで撮られた。

貧しくも美しく、厳しくも誇らかに人間の生を歌い上げた、ネオレアリズモ史に燦然と輝く名作であり、当時42歳と決して若くなかったヴィスコンティを、再び映画の世界へと駆り出した
1本ともいえるだろう。

※ニューシネマパラダイスのラスト。カットされたキスシーンが連続して映される場面で「揺れる大地」のソレも流れている。