Mozia ▼Marsala Selinunte

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「貴方は強烈なマルサラ酒。その味を知った後で別の男と一緒になるなんて、水を飲むようなものだわ」シチリアが舞台の名画「山猫」の中で、名士の娘がアラン・ドロンにこう囁く。

なんて濃ゆいセリフだろうかっ!その言葉どおり舌の上で甘く広がり、長熟物ともなれば琥珀色にたゆたう液体の中で芳醇な味と香りが男女のように睦み合う。

ポートように甘くなくシェリーのようにドライでない。その絶妙たるバランスゆえ、危うく強烈な色気を感じさせる飲み物だ…と、このセリフを読んで思った、まだまだ子供の私…(笑)



とはいっても厳格な製造規定がなく安価な大量生産に走った時代もありマルサラ酒の歴史と品質を維持するために、地元の人々が多大な努力を費やしたという。
今では他のワイン産地のように、培われた伝統に新たな手法を加え、新たなマルサラ酒やワインを生み出す作り手たちが登場。
昔の貴族が愛したサッパリした甘みのマルサラ酒や、マルサラの更に南にあるバンテレッリア島の貴腐ぶどうを使った「Bukkuram」などは高い評価を得、業界の話題をさらった。

マルサラに来たからにはマルサラ酒を買わなくてはっ!と、1軒の店に入ると、娘がボローニャ大学(スゴイ!秀才!)で日本の勉強中という威勢のいいマンマが、日本人である私たちにさあさ!さあさ!と次から次へと試飲させてくれ、別の店では、甘いピスタチオのリキュールも(ウマかった〜!)ナミナミりんこ!と注がれ、マルサラの人ってなんて気前がエエんでしょ〜と、すっかりデキ上がってしまった私…で、肝心のマルサラ酒は??ハイ!ちゃんと忘れず買ってきました!(笑)

あっ!トスカーナで見慣れた「ワインの道〜Strada del Vino」の看板を発見!他にもモツィアまで続く「塩の道」カルタゴ、ノルマン、アラゴン風などの様式が残る「歴史の道」があり、他国の支配に翻弄されたこの地ならではの歴史を垣間見る事ができる。

ほぼ真四角な城壁内に広がる旧市街地は、車がほとんどなく(特殊車両しか入れないのだろう)道も広く、シチリアの街としてはビックリするほどキレイで楚々としている(が、城壁外は混然としてる(笑))

市庁舎の近くには小さい市場があり、
シチリアならではのかじきマグロのお頭とか並んでるのだが、
その市場の入口にたいそう繁盛してるパニーニ屋があった。

サラミやチーズではなく、
何やら油で揚げた「物体」を挟んでいる。
きっと魚だろ〜と思いつつ興味があったので買って食べてみると…

その「物体」はなんと「イモ」で、しかも1片が私の手の平くらいデカイ!揚げて塩コショウされた「だけ」のソレが何枚も挟まってる代物だったけど結構ウマかったです!

あ!ちなみのこの市場の前にはキレイなトイレがあって、ますますマルサラ!ヤルじゃん!って感心した(笑))