Mozia Marsala ▼Selinynte

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やはり王!ゼウスに奉じられたG神殿は、一番巨大で、その柱の直径は3m!を超えるという。ただし今や崩落して見る影もないが…そう、セリヌンテの神殿はそのほとんどが「瓦礫の山」だ。カルタゴ軍による徹底破壊、そして地震による完全なる終焉。

幾多の民族がシチリアという甘い蜜に導かれ、この地に優れた文明を残しつつ、滅ばされていく。シチリアのその繰り返しのなんと多い事か。本土では感じる事のない生と死の混沌たる息吹は、しかし歴史の記憶となって、足元に転がっている石の固まりの中にでさえ、しっかり根付いているのである。


おぅうう!!中に鉄筋でも入っているのか?
かろうじてくっついてる「夫婦柱」?発見!(笑)
がんばれ〜!落ちるんじゃないぞ!!

打ち倒れた柱列の欠片が
墓標のように続く
もの悲しくも見える風景を
夏の青空が救っている

爆撃をくらった戦場跡のような瓦礫の山の向こうにエメラルドグリーンの海が広がっている。
(小さいけどちゃんとしたビーチがある。希代の遺跡を見上げながら泳ぐのもまた一興だろう)
生きている現実の証ともいうべき、目前の透きとおった海の蒼さと、時の遺物と成り果てたガレ場の、その対比が哀しいほど美しい。
輝く海を見おろす神殿のシルエットは、日なが通りで1日を過ごす老人の背中のようなノスタルジーを漂わせてた。